日本の介護サービスが、アジアを中心とした世界で注目を集めていることをご存知でしたか?
今回は介護職を目指す方にとって希望となるような、日本の介護サービスについてのお話しをしていきたいと思います。
日本の高齢化が急速に上昇し始めたのは1900年後半からで、2005年ごろには高齢化率20%を越えてアジアでも断トツの高齢化率を誇ることになります。
これに対して高齢者のサービス充実を狙って、2000年から「介護保険制度」がスタートしています。
介護保険制度が始まったことによって、これまで行政頼みの高齢者サービスから、民間の自主運営によるサービスへと変化し、デイサービスの多様化、ホームヘルプ事業の拡大、入居サービスの多様化と拡大が進みました。
こうした流れに乗って、福祉サービスは高齢者に一方的に提供する「奉仕」から、高齢者の自主的選択による「サービス」へと変化してきました。
その過程で、ひとつひとつのサービスが高齢者に選ばれるものとして相応しいものへ変化するよう求められ、その結果として日本独自の介護サービスが誕生したのです。
日本の高齢化はアジアでも先行して進んできましたが、実はほかの国でも今後高齢化が進み、介護問題への対策が急務になるといわれています。
中でも急速に高齢化率が進んで2030年前後には高齢化率が25%を越える韓国やシンガポール、また2050年ごろに高齢者人口が5億人弱と圧倒的に多くなると予測されている中国は、ここ数年で大きな節目を迎えると予想されます。
それ以外にもタイ、インドネシア、マレーシア、インド、フィリピンなどの諸外国も、なだらかですが高齢化率は上昇しています。
家電製品や加工食品、衣料品など、アジアの中でも先進国としてほかの国たちを引っ張ってきた日本ですが、それと同様にアジアにおいて介護サービスの日本ブランドが確立されつつあります。
日本人が持つ「おもてなしの心」を基本に提供されるサービスは海外でも好まれており、いまだ介護を「奉仕」や「家族のする仕事」と考えている現地サービス提供事業者とは一線を画すものとして、一部の利用者からは高評価を受けているようです。
こういった流れを受けて、すでに中国では富裕層向けのサービスが日本企業によって提供されたり、日本人によってコンサルティングされた介護サービスが提供されたりするなど、徐々に日本ブランドの介護サービスが広がりつつあります。
また日本の企業とアジアの企業が連携し、日本の介護職員がアジアで研修や講義を開いて、日本流の介護法を伝えるといった動きも出てきています。
まだまだアジアでは介護サービスに対する考え方や専門性が不十分なので、今後も日本式の介護、日本式の接客、日本式のサービスなどが、アジアの急速な高齢化問題解決の一助となることでしょう。