介護サービスの担い手はここ数年不足が続いており、人材育成や福祉業界への呼び込みなどが急務とされていますが、将来的な増員は期待できないのが現状です。
また、労働人口の減少にともなう根本的問題も表面化しており、サービスの効率化やシステム化なども随分と検討されるようになってきました。
そんな情勢の中で特に注目されているのが「介護ロボット」です。
一言に介護ロボットと言ってもその種類は豊富で、人型のロボットから排せつや入浴に特化したロボットまでさまざまなものが出てきています。
今後は介護業務の一部がロボットによって行われたり、ロボットの力を借りて介護したりする時代が到来する可能性もあるのです。
富士ソフトが開発した「パルロ」は、人型をしている上に人間とのコミュニケーションがとれる、映画や漫画に出てくるロボットを連想させるような最新ロボットです。
パルロはコミュニケーションに特化した機能が充実しているのですが、中でも特筆すべきなのは、人の顔を認識したり一度した会話を覚えて返答を変えたりできる、高度な人工知能を有している点でしょう。
会話をすればするほど情報が蓄積されていくため、長い期間所有していれば自分よりも自分の過去をよく知っている存在になるのかもしれません。
また歩行が可能なので、名前を呼べば近づいてきて挨拶もできますし、持ち主を気遣う言葉をかけることもできるのだそうです。
加えて常時インターネットに接続されているため、最新の情報が更新されるようにもなっているのです。
パルロの介護現場での利用シーンには「高齢者の話し相手」「レクリエーション機能」「情報提供機能」などがあります。
介護サービスを利用している高齢者に話しかけ、一緒に歌を歌い、身振り手振りを加えてコミュニケーションをとる姿は高齢者にも人気となっています。
また、パルロは踊ったり体操をしたり、またクイズを出題することもできるので、職員の代わりにレクリエーションを行うこともできるのです。
介護人材が不足する中で、ひとりひとりとコミュニケーションがとれるパルロは、非常に心強い存在であるといえるでしょう。
そのためパルロには人の代わりとして活躍するのではなく「人と人とのコミュニケーションを補助する役割」としての進化が期待されています。
(本記事で使用している画像はイメージです)