以前の記事では「介護の入門」とも呼べる資格である「介護職員初任者研修」について紹介をさせていただきましたが、ほかにも介護職を目指す方が取得しておくべき資格はたくさんあります。
その中の1つが「初任者研修」を取得した方が次のステップに進むための資格として用意されている「介護職員実務者研修」です。
今回は介護職員実務者研修の取得方法や、取得をするメリットについて詳しくお伝えしていきたいと思います。
介護職員実務者研修とは、介護に関するより専門的な知識や技術を身につけるために設けられている資格です。
介護における上級の資格といわれており、必要とされている受講時間数も450時間と長くなっているため、「初任者研修」に比べて取得がしづらくなっています。
しかし平成28年度(第29回)以降の介護福祉士の国家試験では、受験資格として「3年以上の実務経験」に加えて「実務者研修の修了」が必須条件となるため、今後介護福祉士を目指す上では外すことができない資格となっているのです。
また介護職員実務者研修は、旧制度でいうところの「ホームヘルパー1級」「介護職員基礎研修」に相当する資格となっています。
介護職員実務者研修を取得することには、介護福祉士の受験資格が得られること以外にも以下のようなメリットがあります。
・サービス提供責任者になることができる
介護職員実務者研修を取得すれば、訪問介護事業所の管理職とも呼べる「サービス提供責任者」になることができます。
「初任者研修」の取得者でも3年以上の実務経験があればなることはできるのですが、その場合は介護報酬から10%が減額されてしまうので、実務者研修取得者のほうが得られる収入が高くなるのです。
・「たん吸引」と「経管栄養」を学ぶことができる
介護職員実務者研修の講座を受講すれば、実務だけでは習得しにくい体系的な医学知識や医療制度について学ぶことができます。
また医療行為である「たん吸引」と「経管栄養」の技術や基礎知識も一緒に学べます。
介護職員実務者研修は、専門の養成研修講座を修了すれば取得することができます。
養成研修講座は介護に関する資格を持っていなくても受講することができるのですが、取得している資格の種類によって、受講時間が免除されるようになっています。
・取得するまでに必要な受講時間
未資格者:合計450時間
ホームヘルパー3級取得者:合計420時間(30時間免除)
ホームヘルパー2級取得者:合計320時間(130時間免除)
ホームヘルパー1級取得者:合計95時間(355時間免除)
介護職員基礎研修修了者:合計50時間(400時間免除)
介護職としてのステップアップを目指している方は、介護職員実務者研修の資格をぜひ取得しておきましょう。