こころコラム

Vol.16 しっかり果たそう! 介護職に課せられた義務

介護職はただ高齢者の介護だけをしていればいいというわけではありません。

国家資格を持つ介護福祉士には「社会福祉及び介護福祉士法」によって、さまざまな規定が定められており、守らなければならない義務がたくさんあるのです。
今回は「社会福祉及び介護福祉士法」の中から代表的ないくつかの規定内容を紹介しますので、それを見ながら介護職が守るべき義務について考えてみましょう。

「社会福祉士及び介護福祉士法の代表的な規定

・誠実義務(第四十四条の二)
「誠実義務」では『社会福祉士及び介護福祉士は、その担当する者が個人の尊厳を保持し、自立した日常生活を営むことができるよう、
常にその者の立場に立って、誠実にその業務を行わなければならない。』と書かれています。

介護職には利用者(被介護者)ができるだけ自立した生活を行えるように、利用者の立場に立って業務を行う義務が課せられています。
介護の仕事をしていると、ときには利用者が求めるものと利用者の家族が求めるものが一致しない場合もあるかと思います。
もしそのようなことになった場合はこの規定に則り、利用者の立場に立って業務を行っていかなければならないのです。

・秘密保持義務(第四十六条)
「秘密保持義務」では『社会福祉士又は介護福祉士は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない。
社会福祉士又は介護福祉士でなくなった後においても、同様とする。』と書かれています。

つまり介護職員は、仕事中はもちろんのこと仕事に従事していないプライベートな時間であっても、他人に利用者の個人情報や仕事中にあった出来事などを話してはいけないのです。
どのような仕事においても秘密保持義務は存在するものですが、特に介護職は利用者の心の深い部分に触れながら働く仕事です。

そのため守秘義務については、ほかの職業以上に守るようにしなければなりません。

・連携(第四十七条)
『介護福祉士は、介護サービスを行うにあたって、その担当する利用者に、認知症などの心身の状況やその他の状況に応じて、 福祉サービスなどが総合的かつ適切に提供されるように福祉サービス関係者などと連携を保たなければならない』というのが、連携に関する規定です。

介護職は、ただ自分に与えられた仕事だけを全うすればいいというわけではありません。
たとえそれが介護の分野外であっても、利用者が福祉サービスで困ったことがあった場合は、この規定に則って社会福祉士や看護職などと連携を取るようにしなければならないのです。

・資質向上の責務(第四十七条の二)
「資質向上の責務」では『社会福祉士又は介護福祉士は、社会福祉及び介護を取り巻く環境の変化による業務の内容の変化に適応するため、 相談援助又は介護等に関する知識及び技能の向上に努めなければならない。』と書かれています。

介護職は国家試験に合格して介護福祉士になれば、勉強を止めていいわけではありません。
介護福祉士になったあとでも、常に知識の技術の向上を目指し続けなければならないのです。

今回ご紹介したのはいずれも法律によって定められた義務となっていますが、どれも介護職として働く者にとっては、当たり前のこととしてやらなければならないものです。
「法律で決められているからやる」というのではなく、利用者と介護業界の将来ことを常に考えた上で、以上のような義務を守るようにしていきましょう。

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