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こころコラム

Vol.39 一人前の介護職になってもらうための「新人」の育て方

介護職は離職率の高い職種の一つとされています。

いかに新人を育成していくかは介護業界全体の課題であり、先輩である介護職の方ひとりひとりにとっても大切なことになります。

「新人を育てる」というのは簡単なことではありません。
物事を素直に聞き入れてくれる幼児期の子どもであっても、大人の想いをすんなり汲んで思い通りに成長してはくれないもの。
まして相手が自我が形成され自分なりの信念をもった大人であれば、なかなか一筋縄にはいかなくて当然です。

新人を育てる時、どうすれば一人前になるのか、一人前になるまで辞めずに続けてくれるのかについて考えていきましょう。

まず大切なのは「退職させないこと」

どんなに優秀でやる気がある人でも、離職してしまったら指導に費やした時間はすべて無駄になってしまいます。

どうあってもやめてしまう人はいますが、なるべくそうさせないようにするには、相手を「新人」というくくりで見るのではなく、「個」を認めることがポイントです。
つい「○○世代」とか「○○族」などで括ってしまいがちですが、新人も一人一人それぞれ個性があり、想いがあります。

個を無視してしまうと「認められていない」「自分を見てくれない」という気持ちになってしまうので、まずはしっかりと個人の話を聞いてみてください。

新人の行動の意図を理解する

例えば、あいさつができない、敬語が使えない、指示に従わないなどといった行動を連発する新人がいると困ってしまいます。
しかし、よくよく話を聞くと、少しずれてはいますが自分なりに意図的にそうした行動をとっている場合もあります。

そういう時は本人の意思を頭ごなしに否定せず、なぜ治した方が良いのかを説明して修正する方がうまくいくものです。
大抵の人は、人から嫌われたり仕事ができないと思われたりしたいのではなく、自分を認めてほしいと思っているもの。
きちんと説明すれば分かってもらえるはずです。

指導者は教える立場であり教わる立場でもある

新人に指導すべきことは本当に当たり前のことばかりです。
つまり、教える内容は簡単で、人間関係を構築する方が難しいのです。
結果として信頼を得ることから始める方が指導する側としてはやりやすく、また新人を育てやすくなります。
そのためには自分で自分を律することでしょう。

よく「最近の若い人は」「最近の新人は」などと言う介護職の方がいますが、自分も3年そこそこの経験しかない場合もあります。
それでは指導者にはなれません。

自分も教える立場であり、教わる立場であることをしっかり肝に銘じてあまり上から目線になりすぎないように接することが大事です。
そうやってできた信頼関係があれば上手に新人を育てることができるでしょう。

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