介護職がキャリアアップするためには、介護職の仕事に役立つ別の資格を取得することが最も効率的です。
では介護職はどのような資格を一緒に取得しておくと、キャリアアップがしやすいのでしょうか。
今回は介護職と関係の深い資格についてご紹介します。
1 実務者研修
介護職員基礎研修・ホームヘルパー1級の廃止によって創設された「実務者研修」は、ホームヘルパーとして身体介護や生活援助を行ったり、介護福祉施設で介護や援助を行います。
仕事内容は介護の基礎資格である介護職員初任者研修と似ています。
実地研修を修了する頃には、介護現場で重宝される医療行為のたん吸引や、経管栄養の技術も習得できます。
また訪問介護事業所で働く際は、リーダーとしてサービス提供責任者になることもできます。
2 介護福祉士
ケアワーカーとも呼ばれる介護福祉士は、介護業界では上級の国家資格にあたります。
仕事内容は要支援・要介護の高齢者や身障者の身体介護・生活援助を行ったり、他ヘルパーの指導や利用者のケアプラン作成、サービス提供責任者など多岐にわたります。
3 ケアマネージャー
介護支援専門員とも呼ばれるケアマネージャーは、利用者や家族の希望と心身に合ったサービス利用をつなぐ役割を担っています。
仕事内容はケアプラン作成や、自治体・在宅サービス事業者・介護保険施設との連絡調整などです。
一般に在宅介護の場合はケアマネージャー1人あたり40人前後のケアプランを作成し、施設介護の場合は施設内利用者のケアプラン作成・関係者との連絡調整を行います。
4 看護師
介護の場で活躍する看護師は、介護スタッフにはできない行為を行えるため、介護職に就きながら取得する人や、介護職退職後に資格を取得し再就職する人も多くいます。
仕事内容は簡単な医療処置や服薬管理・バイタル測定・インシュリン注射などで、その他介護スタッフの支援や施設の衛生管理も行います。
5 作業療法士・理学療法士
事故や病気で障害を持った人や身体機能が低下した高齢者に、医師の指導のもとでリハビリテーションを行います。
作業療法士は日常生活に必要な能力や社会適応能力を回復させる訓練や指導を行い、理学療法士は運動療法と物理療法を用いて運動能力の回復を促します。
6 言語聴覚士
生まれつきの障害や脳機能障害、心理的問題を抱えている人や、話したり聞いたりすることができない人などの言語能力や聴力を回復させるリハビリテーションを行います。
また食べること、飲み込むことが難しい人へのケアも行います。
介護職に関係した資格は多岐に渡り、また求人数も多いため、転職によるキャリアアップが見込まれます。
介護職として長く働けば、訪問介護サービス施設のリーダー的存在であるサービス提供責任者や、訪問介護事業者の事業所長や施設の介護長・施設長といった、役職に就くこともできます。
またある程度の資金と優秀な人材が集められるのであれば、介護事業所を起業して独立することもできます。
さらに現場で培った経験や知識を生かし、介護業界で活躍できる人材育成のための資格取得スクール講師、起業者をサポートするコンサルタントとして活躍することも可能となっているのです。