こころコラム

Vol.34 厚生労働省が介護施設の“抜き打ち”実地指導を開始

介護施設の状況を客観的に監査する「実地指導」。

これまでも実地指導は行われていましたが、厚生労働省は2016年3月に、この実地指導を今後“抜き打ち”で行っていく方針を発表しました。
この抜き打ち実地指導についてご紹介します。

抜き打ちで行う背景は?

これまでの介護施設の実地指導は、事前通知の上で行われていましたが、これでは介護施設の実態が掴みにくいということで、厚生労働省は新たに、“抜き打ち”の方針を計画しました。
増加している介護施設での虐待を削減する狙いがあると言われています。

抜き打ちで実地指導する事で、その介護施設の生の姿が垣間見られるため、虐待や違法な介護サービスの早期発見に繋がるかもしれません。

抜き打ち実地指導の内容

抜き打ち実地指導の内容自体は、通常の実地指導と変わらないようです。
運営指導と報酬請求指導の2つの側面から行われます。

運営指導は、サービスの提供、虐待防止や身体拘束防止の取り組みの促進などを運営指導マニュアルに基づき確認・指導する形となります。
報酬請求指導は、算定基準に適した運営・請求が行われているか報酬請求移動マニュアルに基づき認定・指導する形となります。

抜き打ち実地指導の対象となる施設

現在のところ抜き打ち実地指導は、全ての介護施設に行う訳ではないようです。
現状で対象となるのは、利用者から通報や苦情の不正情報が寄せられた介護施設のみとなるとのこと。
その手の不正情報が寄せられた施設のみ、事前通知なしで、抜き打ち実地指導が入ります。

実地指導を行い、不正や目覚しく著しい違反行為などがあった場合は、監査が行われます。
監査後に対象の介護施設に、改善を図る勧告・命令が下され、この勧告・命令に従わなかった場合は、介護施設指定の取り消し対象とみなされます。

いつから始まる?

抜き打ち実地指導は、2016年4月より開始されました。
通常の実地指導と同じく、都道府県毎で実施指導していく形となります。
苦情が多い介護施設は早めに抜き打ち実地指導が入ることになるでしょう。

このように、今後は介護施設に抜き打ちで実地指導が入ってくる形となります。
これにより、今後は大きな問題となってきている介護施設での虐待や事故、不正などが徐々に削減されていくかもしれません。
ごく一部とはいえ、苦情や虐待の話は耳にニュースで耳にしたことはあるのではないでしょうか?

誰もが安心して任せることのできる施設であって欲しいですね。

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